バスローブ姿でベッドに腰掛ける私の横に佐伯が座った。先にシャワーを終えていた佐伯はシャツとズボンをしっかりと着込んでいる。私は佐伯を脱がせようと胸元に手を伸ばした。だが私がボタンを外し始める前に、佐伯は私の頬に両手を添えてキスをしてきた。佐伯の少し冷えた舌が私の咥内に入り込む。
 煙草の苦味にこれから起こる事を想起させられ、私の中心はすぐに熱くなった。佐伯の舌は私の上顎を舐め、歯列の内側をなぞっていった。大きくて厚くて長い舌が私の口の中をいっぱいにする。
「んぅ……ふ……っんん」
 唾液の絡まる淫らな音が耳に忍び込んで、私の動悸は激しくなっていく。佐伯の胸のあたりに置いた手が小刻みに震え始めて、ぎゅっと握りしめた。
「もうこんなになってる」
 佐伯は小さく笑って下着の上から私の物に触れた。私は上がりそうになる声を唇を結んで堪え、そこを撫でる佐伯の手首を掴んだ。
「ま……まだ、そこは……」
「まだ、じゃないだろ。もう、いきそうなんじゃないのか」
 笑いを含んだ声で囁やかれ、押し倒された。再びキスを受けて手から力が抜ける。自由になった佐伯の掌が円を描く動きで私の身体を這い回り、私は身体をくねらせてその優しい愛撫に酔った。
「足を自分で持っていてください」
 いつの間に脱がされたのか。気づくと全裸だった。佐伯が私の両足を折り曲げて持ち上げている。
「そう、足を少し開いて、膝の裏に手を入れて」
「あっ……」
「苦しいですか?」
「大……丈夫……だ」
 苦しくはなかったが、仰向けで膝を抱えるような恰好は尻が持ち上がって、後ろが佐伯に丸見えになる。今更だが、やはり恥ずかしかった。顔が火照って息が弾み少し視界がぼんやりとしてくる。
「興奮してますね、御堂さん」
 私の眼を見て佐伯はまた笑うと、ぬめりを帯びた指を私の後ろに挿し込んだ。
 中に入り込んだ指のゆっくりと押し広げるような動きともう片方の手の前を弄ぶ緩やかな動きに、暫くすると私はもどかしくなって知らず腰を振った。
「いやらしい人だな。もう欲しくて我慢できませんか」
「違っ……あっ……」
「嘘をつくな。いいですよ。すぐにあげます」
 佐伯は本当にすぐに入ってきた。入口に先端を入れて動きを止め、焦らされる事を嫌がる私の中の動きを味わうかのように舌なめずりをすると、一気に奥まで突き入れた。
「あっあああ……っ!」
 その動きだけで私は甲高い嬌声を上げて達した。はたはたと腹に精液が降り落ちる。
「うぅっ……ふっあっあっ」
 達したのに去らない快感に戸惑いながらも早すぎる射精に強い羞恥と情けなさが込み上げてきた 。
「あぁっ……んっ……うっ」
「早すぎますよ、御堂さん。あんたの身体は本当にだらしなくて、はしたないな。まだ、出てるぞ」
 ひくひくと震えながら体液を零す私のそこを指で弾いて佐伯はわざとらしく溜息をついて嗤った。
「ち……違うっ、これは、お前が……っ」
「俺のせいですか」
「あああっ佐伯っ……駄目だっ……やっ」
「やめていいのか?嫌だとか、やめてくれとか、嘘をつくなら、本当にやめるぞ」
「あっあっだめだっやっいやっ」
 私は佐伯の激しい抽挿に揺さぶられながら、何を言われてるのか、何を言っているのか解らなくなっていった。

出だしからベッドシーンにすればエロが書けるじゃないか!と気づいていきなりやってるところを書いたのですが……1時間という枠の中で書ききれず……orz